ジョイナーは本当にドーピングだったのか


現在、陸上競技で2005年以前の世界記録を抹消すべきという議論が持ち上がっている。


それについて記すために、まず女子100mの状況から見てみたいと思う。

以下が、現在の女子100mの世界歴代10傑だ。


 1位 10秒49(±0.0m)1988.07.16 フローレンス・グリフィス=ジョイナー(アメリカ)

 2位 10秒64(+1.2m)2009.09.20 カーメリタ・ジーター(アメリカ)

 3位 10秒65(+1.1m)1998.09.12 マリオン・ジョーンズ(アメリカ)

 4位 10秒70(+0.6m)2012.06.29 シェリーアン・フレーザー=プライス(ジャマイカ)

 4位 10秒70(+0.3m)2016.07.01 エレーン・トンプソン(ジャマイカ)

 6位 10秒73(+2.0m)1998.08.19 クリスティーン・アーロン(フランス)

 7位 10秒74(+1.3m)1996.09.07 マリーン・オッティ(ジャマイカ)

 7位 10秒74(+1.0m)2016.07.03 イングリッシュ・ガードナー(アメリカ)

 9位 10秒75(+0.4m)2009.07.10 ケロン・スチュワート(ジャマイカ)

10位 10秒76(+1.7m)1984.08.22 エベリン・アシュフォード(アメリカ)

10位 10秒76(+1.1m)2011.05.31 ベロニカ・キャンベル=ブラウン(ジャマイカ)


黒字が、ドーピングが発覚した選手。

この3人のうち、マリオン・ジョーンズは引退したが、フレーザー=プライスとキャンベル=ブラウンは現役である。

今でも、試合でバンバン走っている。


本当の問題は、そこにある。

今、2005年以前の記録を抹消したところで、フレーザー=プライスとキャンベル=ブラウンの記録は残る。

これからドーピングをしようとする選手も、「どーせばれたって出場停止2年ぐらい我慢すりゃいいんだし、いちかばちか」ってことになる。

ばれても、発覚した時期の関係で、上記のように記録が残ることもある。

やったもの勝ち。

今の陸上界のドーピング問題の根幹は、そこにあるのだ。



世界陸連が今しなければならないことは、そういった選手を陸上界から排除することだ。

一度でも発覚したら、永久追放。

そして、時期もくそもなくすべての記録を抹消し、メダルを取り上げる。


さらに、選手とその国の陸連に対して巨額の罰金を請求する。

メダリストがドーピング違反をしたら、陸上界のイメージは落ちる一方だ。

10億円くらい罰金をとってもよかろう。

世界大会に出る選手とは、そういった契約をあらかじめ結んでおくべきだと思う。



表題について。

ジョイナーの、年別の記録を示す。

彼女が11秒09以下で走ったすべての記録だ。

ここに記載されている以外、11秒09以下で走ったことはない。


1983.08.26 11.06(-1.7m)

1984.08.17 10.99(-0.1m)

1984.08.17 11.02(+1.3m)

1985.08.23 11.07(-0.5m)

1985.09.07 11.00(+0.5m)

1987.08.16 10.96(±0.0m)


1987年までのベスト記録は10秒96。

このときの世界記録は、アシュフォード(アメリカ)の10秒76だ。

トップアスリートではあるが、世界大会での100mのメダルはなかった。

このとき、27歳。


以下が、28歳になった1988年の記録である。


1988.06.25 10.89(-0.1m)

1988.07.12 10.99(+1.1m)

1988.07.16 10.49(±0.0m)世界記録

1988.07.17 10.61(+1.2m)

1988.07.17 10.70(+1.6m)

1988.09.24 10.88(+1.0m)

1988.09.24 10.62(+1.0m)ソウル五輪金

1988.10.07 10.91(+1.4m)


前の年までの記録を、28歳の選手が0秒47も短縮している。

27歳までのジョイナーと、28歳までのジョイナーと、何がどう変わったのか。


ちなみに、翌年以降の記録はない。

なぜなら、世界記録を出したこの1988年で彼女は引退したからだ。

ぱっとしなかった選手が栄光をつかんで。

まだまだ、これからトップとして活躍できるはずだったのに。

「私はマラソンの女王になる」と言い残しての引退だった。


なお、1988年は、ソウル五輪で金を取ったベン・ジョンソンが薬物使用で失格になった年でもあることを付け加えておく。

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